若手エンジニアが運用保守で大切にしている意識について

約8分で読めます

はじめに

システムの運用保守は、サービスの安定稼働を支える重要な仕事です。お客様からの問い合わせ対応、障害対応、改修作業など、日々さまざまなタスクが発生します。

この記事では、新卒2年目の私が運用保守の現場で意識している5つのポイントと、これから取り組みたいことをまとめました。運用保守に携わる方や、これから運用保守を経験する方の参考になれば幸いです。

運用保守の現場


私のキャリア

2024年4月に新卒としてIT業界でキャリアをスタートし、研修を経て7月から現在のプロジェクトに参加しました。当初はテストや手順書作成を担当し、2025年10月から本格的に運用保守をメインで担当するようになりました。


運用保守の4つの主要業務

現在、私が担当している運用保守業務は大きく4つに分類されます。

業務分類内容頻度
仕様確認お客様からの機能仕様や操作方法に関する問い合わせ対応随時
障害対応不具合発生時の原因調査と報告随時
改修対応不具合修正や既存機能拡充の工数見積・実施随時
運用作業週次バックアップデータ共有、システムの稼働状況の確認、運用報告書作成などの定型業務定期

これらの業務を通じて、システムの安定稼働を維持しています。

運用保守の主要業務


1. 慣れた作業こそ慎重に(ダブルチェックの重要性)

なぜ慎重さが必要か

運用保守では、同じ作業を繰り返すことが多くあります。例えば、開発環境から本番環境へのリリース作業は、私が担当することが多く、手順も熟知しています。

しかし、慣れた作業ほどミスが起きやすいというのが現実です。

実際、Sandbox環境でのリリース作業において、リリース前後に実施すべき作業を見落としたことがありました。この経験から、以下の2つを徹底するようにしています。

実践している対策

1回目のチェック: 手順書を1ステップずつ確認しながら作業を進める

2回目のチェック: 作業完了後、少し時間を置いてから手順書と環境を再確認し、抜け漏れがないかをチェックする

この「少し時間を置く」というのがポイントです。作業直後は「やったつもり」になっていることがあるため、頭をリセットしてから確認することで、見落としを防げます。

ダブルチェックの重要性


2. 本番環境では何も試さない(事前検証の徹底)

本番環境は「実験場」ではない

本番環境でのデータメンテナンスやスクリプト実行は、事前に必ず検証環境(SandboxやSO環境)で動作確認を行います。

これは当たり前のことのように思えますが、時間がないときほど「これくらいなら大丈夫だろう」という油断が生まれやすいものです。

検証の手順

本番環境で実行する前に、以下のステップを踏みます。

  1. Sandbox環境で同様のデータを準備
  2. スクリプトを実行し、想定通りの結果が得られるか確認
  3. 副作用(意図しない変更)がないかチェック
  4. 問題なければ本番環境で実行

このプロセスを省略すると、取り返しのつかない事態を招く可能性があります。運用保守の基本は「予防」であり、問題が起きてから対処するのではなく、問題を起こさないための準備が重要です。

検証環境での事前確認


3. 障害は迅速に共有する(スピード重視のコミュニケーション)

障害検知から報告までの流れ

本番環境でエラーが発生すると、Slackにエラー通知が届きます。通知を受け取ったら、以下の手順で対応します。

  1. エラー内容を確認
  2. Sandbox環境で再現できるか検証
  3. 原因と影響範囲を調査
  4. 調査結果・原因・改善策をお客様に報告
  5. 暫定対策がある場合は併せて共有

ここで重要なのは、完璧な報告を待たずに、まず現状を共有することです。

調査に時間がかかる場合は、「現在調査中です。〇〇時までに続報を共有します」といった中間報告を入れることで、お客様に安心感を与えられます。

障害は迅速に共有する


4. チームとの情報共有を怠らない(リスク予防)

なぜリーダーに共有するのか

お客様とのやり取りで、改修の依頼があった場合、たとえ小さな変更でもリーダーに共有するようにしています。

共有する理由:

  • 私が気づいていない技術的な問題があるかもしれない
  • 他の機能への影響を見落としている可能性がある
  • 過去に同様の要望があり、別の解決策が検討されたかもしれない

「こんな小さなこと、わざわざ報告しなくても…」と思うこともありますが、報告しなかったことで問題が起きるリスクを考えれば、共有する手間は惜しむべきではありません。

「質問しすぎ」を恐れない

正直、「また質問してしまって申し訳ない…」と思うこともあります。でも、間違った情報をお客様に伝えてしまうリスクを考えれば、確認を怠ることの方がはるかに問題です。

特に経験の浅いうちは、「これで合っているか」という確認を積極的に行うことで、正確な知識が身につき、信頼を築くことができます。

リスク予防のための情報共有


5. お客様対応の3つの原則

お客様から機能の仕様について問い合わせを受けた際、以下の3つを意識しています。

原則1: まずレスポンスを返す

すぐに具体的な回答ができない場合でも、「確認します」という旨の返信をすぐに返すようにしています。

問い合わせたこと自体が把握されているかどうかを相手に伝えることが大切です。返信がないと、お客様は「見てもらえているのか」「忘れられているのか」と不安になります。

原則2: 確認してから回答する

すべての機能の仕様を完璧に把握しているわけではないので、詳細がわからない場合は、以下のステップを踏みます。

  1. 資料やソースコードから大まかな仕様を調査
  2. 回答案をまとめる
  3. リーダーに「このような問い合わせがあり、この仕様で回答しようと思いますが、合っていますか?」と確認
  4. 確認が取れてから回答

なぜ確認を徹底するのか:

  • 経験が浅いため、間違った仕様を伝えてしまうと、後々の不信感につながる
  • 若手だからこそ、正確性を重視することで信頼を築ける

原則3: わかりやすく伝える

機能の操作方法を説明する際は、以下の工夫をしています。

  • 画面キャプチャを添付し、視覚的にわかりやすくする
  • ロジックを説明する際は表を活用し、情報を整理する
  • 専門用語を避け、平易な言葉で説明する

お客様はエンジニアではないこともあるため、技術的な詳細よりも「どう操作すればいいか」を重視した説明を心がけています。

お客様対応の3つの原則


これから取り組みたいこと

運用保守の経験を積む中で、今後さらに強化したいポイントが2つあります。

1. 業務改善(効率化)を積極的に行う

定型業務や繰り返し作業は、自動化や効率化の余地があります。例えば、以下のような取り組みを検討しています。

  • バックアップデータの共有を自動化
  • よくある問い合わせに対するテンプレート回答の整備
  • 障害対応手順のマニュアル化

2. 調べたことはナレッジ化する

調査した内容や解決した問題は、その場限りにせず、ドキュメントとして残すことを習慣化したいと考えています。

ナレッジ化のメリット:

  • 同じ問題が再発したときに、すぐに対処できる
  • 他のメンバーも参照でき、チーム全体の早期解決につながる
  • 自分自身の学習記録になる

これから取り組みたいこと


まとめ

この記事では、運用保守の現場で意識している5つのポイントをまとめました。

ポイント概要
慣れた作業こそ慎重に手順書の確認とダブルチェックで抜け漏れを防ぐ
本番環境では何も試さない事前検証を徹底し、リスクを最小化
障害は迅速に共有する初動の速さで信頼を築く
チームとの情報共有を怠らない確認を積極的に行い、リスクを予防
お客様対応の3つの原則レスポンス・確認・わかりやすさを重視

運用保守を行う上で、私が最も大切にしているのは、焦らず落ち着いて考え、丁寧に作業を行うことです。

焦って行動して良かったことは一度もありませんし、作業の期限さえ守れば、ゆっくり丁寧にやって損したこともありません。この考え方は、これからどんな形で働いても大事にしていこうと思っています。

運用保守は「地味な仕事」と思われることもありますが、システムの安定稼働を支える重要な役割です。一つひとつの作業を丁寧に積み重ねることで、お客様の信頼とシステムの品質を守ることができます。

この記事が、運用保守に携わる方の参考になれば幸いです。

まとめ


TOP