はじめに
こういう経験、ありませんか?「とりあえず分けておけば大丈夫」と思っていたら、いつの間にかフォルダーが迷路化していた、というやつです。あるいは「組織の既存のフォルダールールがそうだから」と、理由は分からないけど合わせ続けてきた人も多いはず。だから今回は、迷わないための運用ルールを紹介します。
この記事では、次の順で話します。
- 5階層までに抑える考え方
- 2桁番号の理由と、0〜99の温度感・99アーカイブまでの運用
- PARA方式の考え方
- 運用で育てていくコツ

1. 5階層整理で「深くしすぎない」ルールを作る
深い階層は探すコストが高く、浅い階層は名前が長くなりがちです。そこで「5階層まで」と上限を決めると、迷う前に整理の手が止まります。ここで出てくる番号ルールは、後で紹介するJohnny Decimalの考え方をベースにしています。目安は次の通りです。
| 階層 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| 1 | ルート | work / personal |
| 2 | エリア | sales / product(または 10-19_product など) |
| 3 | カテゴリ | 12_specs / 21_proposals |
| 4 | アイテム | 12-03_release-2026q1 |
| 5 | ファイル群 | notes.md / images/ |
IT会社なら、上位は業務領域、下位は案件や資料の種類がわかるようにすると整理しやすいです。例えば「営業 → プロジェクト → 資料種別」の流れです。
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5階層の考え方は、上位ほど「広い責務」、下位ほど「具体的な成果物」に寄せます。実際のツリー例はこんな感じです。
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ポイントは「階層が増えそうになったら、4階層目の名前を分割するか、カテゴリを切り直す」ことです。ルールがあると判断が速くなります。

2. 2桁の数字を振る理由
2桁の番号は「見た瞬間に場所がわかる」という効果があります。Johnny Decimalでは、番号が構造の役割を持つと説明されています。1 これをディレクトリにも応用します。
2桁にする理由は次の通りです。
- 並び順が安定する: 1桁と2桁が混ざるとソート順が崩れますが、2桁固定なら常に意図通りに並びます。2
- 空き番が作りやすい: 10刻みや5刻みで余白を残せるので、増えたときに差し込めます。
- 会話が速い: 「12番の仕様」など短く共有でき、探す時間が減ります。
- 記憶の手がかりになる: 数字がカテゴリを示すため、名前を全部覚えなくても辿れます。
命名の例としては、12_specs のように「番号 + 短い英単語」を使うと、視認性と検索性が両立します。2
2.1 エリア番号は必須ではない
Johnny Decimalでは「10-19のエリアにカテゴリを入れる」枠組みが紹介されますが、これは運用の一例です。3 product などの上位フォルダーを名前だけで置き、その配下から番号を振り始めても問題ありません。ここでは「数字は階層のどこからでも開始できる」と割り切ると、チームの実態に合わせやすいです。
2.2 0に近いほど「今見る」、99に近いほど「しまう」
Johnny Decimalでは、カテゴリを作成順に並べる考え方が示されています。3 この性質を利用して、運用ルールとして「0に近い番号は“今見るもの”、99に近い番号は“重要度が下がったもの”」と決めておくと、一覧を眺めるだけで温度感が伝わります。
2.3 99番にアーカイブフォルダーを置く意味
99番は「必ず末尾に来る」ため、アクティブなものとアーカイブを分離するのに向いています。アーカイブを99番に置く運用には、次のような効果があります。
- 現役の一覧が短くなる: 使うフォルダーだけが前に出て、迷いが減ります。
- 終わったものの置き場が固定される: 「どこにしまうか」を迷わなくなります。
- 整理のタイミングが明確になる: 週末や月末に99番へ移すだけで棚卸しが完了します。
運用イメージは以下です。
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3. PARA方式の考え方
PARAは、Projects / Areas / Resources / Archives の4分類で情報を整理する方法です。4 それぞれの意味はシンプルで、Projectsは期限のある成果、Areasは継続的な責務、Resourcesは参照情報、Archivesは完了・停止したものという考え方です。4
PARAの設計思想は「目的ベースで分類すること」です。フォルダー構造を“何のための情報か”で切り分けるので、仕事のフェーズが変わっても移動先が明確です。例えば、案件が終わったらProjectsからArchivesへ移す、といった動きが自然に決まります。4
5階層ルールに比べてPARAが魅力的に感じやすいのは、次のようなシーンです。
- 横断情報が多いとき: 1つの資料が複数プロジェクトに関わる場合、Resourcesに置く判断がしやすい
- 成果物中心で動くとき: Projects/Archivesの移動で“今動いているもの”が見えやすい
- チームで認識合わせしたいとき: 4分類が共通言語になり、説明が短く済む
ここから先は、番号ルールの運用をどう育てるかに話を戻します。ディレクトリ管理に合わせると、次のように置き換えられます。
| PARA | ディレクトリの役割 | 例 |
|---|---|---|
| Projects | 期限のある作業 | 20-29_projects/23-01_new-site |
| Areas | 継続的な責務 | 10-19_area/12_finance |
| Resources | 参考情報 | 30-39_resources/31_ui |
| Archives | 完了・停止 | 99_archive |
PARAは「目的で分ける」考え方です。Johnny Decimalのような番号ルールと組み合わせると、思考の軸と運用の軸が両立します。

4. 運用で「育てていく」考え方
Johnny Decimalは、最初に枠を決めるトップダウンと、手元のフォルダーから整えるボトムアップのどちらでも始められる設計です。3 ここでは両方の進め方と、チーム/個人それぞれの育て方を紹介します。
4.1 トップダウンとボトムアップの使い分け
トップダウンは「枠だけ先に決める」進め方です。例えばこうしておけば、後から中身を差し込めます。
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ボトムアップは「今あるフォルダーから番号を付けて整える」進め方です。実際に使うものを優先して番号を付けるので、現場の実態に合わせやすいのが利点です。3
4.2 チームとして育てる方法
チームで回すときは、運用ルールを軽く決めておくと迷いが減ります。Johnny Decimalでも「まず動かし、使いながら整える」前提が示されています。5
- 命名ルールを1枚のドキュメントにまとめる(略語・区切り文字・言語など)
- 新規フォルダー作成時に「既存番号の空き」を探す
- 週1回や月1回の棚卸しで99アーカイブへ移動する
- 迷ったら「今最も使う場所」に寄せ、あとで移す
4.3 個人のセカンドブレイン観点で育てる
個人のセカンドブレインとして育てる場合は、PARAの「目的で分ける」思想が扱いやすいです。4 Projects/Areas/Resources/Archivesの移動ルールがあるため、学びや成果物が増えても置き場所に迷いにくくなります。
個人の運用ルール例として、筆者は次のように「0〜99の大枠 + 役割名」で管理しています。
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ポイントは「Inboxに一時集約→定期的に移動」「Systemで運用ルールを固定」「Journalで時系列の思考を残す」の3つです。
まとめ
- 5階層までと決めることで、深掘りしすぎを防げます
- 2桁番号は並び順・会話・記憶を安定させ、0〜99の温度感や99アーカイブまで一体で運用できます
- PARA方式は目的ベースの分類で、番号ルールと相性が良いです
- Johnny Decimalの考え方を土台に、運用は軽く回しながら育てていきます
参考文献
“A system to organise your life”, Johnny.Decimal, https://johnnydecimal.com/ ↩︎
“File Naming Conventions”, NNLM, 2022-06-13, https://www.nnlm.gov/guides/data-glossary/file-naming-conventions ↩︎ ↩︎
“11.02 Areas and categories”, Johnny.Decimal, https://johnnydecimal.com/10-19-concepts/11-core/11.02-areas-and-categories/ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎
“The PARA Method: The Simple System for Organizing Your Digital Life in Seconds”, Tiago Forte (Forte Labs), 2023-02-24 (updated 2023-08-22), https://fortelabs.com/para/ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎
“14.01 Build your system”, Johnny.Decimal, https://johnnydecimal.com/10-19-concepts/14-system/14.01-build-your-system/ ↩︎
